2013年 11月 24日
スペインのミシュランシェフと一夜限りのコラボレーション・ディナー - つきぢ田村@築地
スペインのガリシアから、ふたりのミシュランシェフが来日し、田村シェフと共に、築地で仕入れた素材を元に作る特別メニューをいただくという贅沢な企画です。
3人のサインが入った、この日のための特別メニュー。
当日まで内容が全く知らされていなかったので、興味深々
ベースは和のようです。
まずはスペインのビール“エストレーリャ・ガリシア”で乾杯
スペインのビールって初めて飲んだ気がします。
独得のクセがある味わいですが、美味しかったです。
ガス入り、ガズなしのお水も用意されて。
ボトルのデザインがクールですね。
前菜は秋らしい装いで5品。
1品1品が凝っていて素晴らしい。
手前は煮アワビ
肝も添えられて。ほど良い味付けと柔らかく弾力のある歯ごたえ。
黒豚バラ肉は塩焼きで。
白く巻かれたもの2品は、実は薄くスライスしたカブ。
中身はしめ鯖、ほっき貝をそれぞれ味付けしたものが入っていました。
どれも丁寧に作られていて、個性のある味。とっても美味しかったです
次はお椀。
蓋の裏側には鶴が描かれた美しい塗りの椀で出てきました
こういうところは、さすが田村。とっても高そうな器。笑。
中身は、蛤、ほたて、車海老、鱈、白子が入ったスパニッシュ風ブイヤベース。
和と思いきや、スペインの個性を出してきた洋なスープの意外性に皆びっくり。
頭の中が完全に和のイメージだったので、最初の一口はそのギャップに違和感がありましたが、食べ進めるうちに美味しさが伝わってきました
お造里は、築地で仕入れた7種類のお魚が登場。
ぱっと見、普通のお刺身のようですが、味付けが独特。
醤油で食すのではなく、スペインのシェフが考えたオリジナルのソースやジュレが添えられて、それぞれの味の組み合わせを楽しむ形。
斬新な試み
まぐろには割醤油ジュレ、赤貝にはライム&マヨネーズ、鯛には玉ねぎ&生姜&オリーブオイルなどなど、想像できるものもあれば、意外な組み合わせもあり、一切れずつ不思議なコラボを楽しみながらいただきました
とはいえ、やっぱり日本人には醤油も欲しかったかなーーー!?なんて
お造里には、白ワインを合わせて。
スペインの“ポンテ・ダ・ボガ ブランコ・デ・ブランコス”。
煮物。
これも立派な器で出てきました。
手作りでしょうか。
ひとつひとつ形も柄も異なっていて、器だけでも存在感ありました
料理は焼きのどぐろの白ワイン蒸しに、くみあげ湯葉、栗ソースと石垣ラー油が合わせられて。ラー油、しかも“石垣”っていうのが意外でしたが、見事に合っていました。
ワインは、スペインの赤ワイン"ポンテ・ダ・ボガ メンシア"を合わせて。
焼物は“スペインオムレツ”。
40名限定のディナーでしたが、オムレツはひとつひとつ焼いたそう。
しゃぶしゃぶ用の贅沢な牛肉を使って、丁寧に包んで。
味付けはごまだれとパプリカ。
料理をサーブするごとに説明をしてくれるのですが、この焼物は渾身の1品だと伝わってきました。
その通りの見事な1品。
上品な牛とオムレツの組み合わせが素晴らしく美味しかったです
止めは"すっぽんパエリア"。
なんと、すっぽんの出汁を使って作られたパエリア
最後の御飯がパエリアなんてスペインらしい演出。しかも、すっぽんを使うという普通では思いつかない組み合わせ!!!
すっぽんの身は、丁寧におかき揚げにして、真ん中に添えられていました。
濃厚な味が沁み渡っていて、とても美味しかったです
コースの〆。
デザートは、"ガリシアンケーキ"と"抹茶デミ"。
器とのコントラストが素敵
ガリシア地方の伝統的なケーキをアレンジしたそう。
焼き立てで、割ったら中からトローっとソースが流れ出てきました
ナッツを細かく砕いたようなざらっとした舌触り。
これも、とーーーっても美味しかったです
最後に、シェフのご登場
スペインから来日したふたりはミシュラン1ッ星レストランのシェフ。
左、ホセ・ゴンザレス・ソヤ・イ・ゴンザレス氏は、1980年にガリシア州初、スペイン国内で8番目にミシュラン認定されたRestaurante Casa Sollaのシェフ。
中央、ホセ・トーレス・カナス氏は、2008年にミシュラン1ッ星を獲得したPepe Vieila Camino da Serpeのシェフ。
そして、一番右はつきぢ田村の田村隆料理長。今回のコラボーレーションのために、ふたりのシェフを築地市場に連れて行ったり、ともにメニューを考えたり、多大なる貢献をしてくださったそう。
意外な展開がありつつ、確かな味で、最後まで楽しめたコースでした
貴重な体験ができて感謝。
いつか本場のスペインに行き、彼らのレストランで本家を味わってみたいな~